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空を読むという、最も古い読書
占星術は未来を当てる技術ではなく、時間を測る営みから生まれた

占星術と聞くと、多くの人は「未来を当てるもの」を思い浮かべる。けれど、その始まりは、もっと実務的だった。
占星術と聞くと、多くの人は「未来を当てるもの」を思い浮かべる。けれど、その始まりは、もっと実務的だった。
古代バビロニアの人々が空を見上げたのは、占うためではなく、測るためだった。星の位置は季節を告げ、種まきと収穫の時を教えた。暦は、空に書かれていた。占星術は、この「空を読む」という営みの、遠い子孫にあたる。
空を読むことは、人類最古の読書のひとつだったと言っていい。文字より前に、人は星を物語にした。獅子、蠍、乙女——夜空に線を引き、そこに神話を宿らせた。ばらばらの光の点を、意味のある形に束ねずにはいられなかった。
では、暦としての役目を終えたいまも、なぜ占星術は残っているのか。おそらく、それが「当てる道具」ではなく「眺める鏡」だからだ。星座や星の巡りは、自分の気質や、いま立っている場所を、少し離れて見るための言葉になる。
星が私たちの運命を動かしている、とは思わない。けれど、空を見上げて自分を思うという習慣は、案外わるくない。予言としてではなく、静かな読書として。次に晴れた夜は、当たるかどうかは脇に置いて、ただ空を読んでみたい。
ABC編集部
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